ニコライ

吸血鬼の絆が発現するのはもっと後のことだという。魂が相手に惹かれ、差し伸べられた手を受け入れた、その時にこそ、と。

だが、地面に転がされ、自力では決して解けぬキアウの縄で縛られた彼女を見た瞬間、本能が叫んだ。――彼女を助け、俺のものにしろ、と。

これほど強烈で、頭の芯が痺れるような感覚は初めてだった。

当初の計画では、中の連中を全員ノックアウトして、彼女には俺が救助に来たのだと思わせる。その後、外で待つ仲間と合流するはずだった。だが、アドリブで動くしかなかった。

『こいつらに俺のメイトを渡してたまるか!』

頭に叩き込まれた訓練のすべてを解放し、俊敏な動きで駆けながら、俺は心の中で唸っ...

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