ニコライ ²

感じた衝撃は、まるで実体があるかのようだった。手が震え、無理やり呼吸を整える。

俺はこいつのために来た。そして今、ついに、俺たちは向かい合っている。

「自分が賢いとでも思っているのか?」男は俺の顔を見て鼻で笑った。「それどころか、力があるとでも? 必死こいて俺を出し抜こうとしやがって! いいか、貴様の骨をズタズタにする前に教えてやる。俺のような男に逆らうな!」

奴が有利なのは明らかだったが、俺にはまだ奥の手が一つ残っていた。事前に飲んでおいた解毒薬が血管を駆け巡っている。毒薬銃くらいでは俺を止められないと分かっていた。だが、撃たれるのを待つつもりはなかった。

俺は飛びかかった。手元がぶれ...

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