第4章

香奈視点

 高橋さんは、母が知れば諸手を挙げて賛成しそうな、まさに「理想の相手」だった。彼が選んだのは静かな通りにあるモダンなレストラン。大きな窓から緑が見える落ち着いた店内で、ウェイターは上品な制服に身を包み、美しく装丁されたメニューを丁寧に説明してくれる、そんな店だ。

「弁護士なんですね」彼は丁寧にナイフを動かし、和牛のステーキを切り分けながら言った。「仕事、かなりハードなんじゃないですか?」

「まあ、それなりに」

 私はワインを一口含み、グラスの縁越しに彼を観察した。ハンサムで、成功していて、きっと女性の扱いも上手なのだろう。分別ある女性なら誰もが望む条件をすべて兼ね備えている...

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