第6章
香奈視点
最初に我に返ったのは良太だった――驚くことじゃない。彼は椅子からレザージャケットをひっつかむと、まるで顔に張り付いているかのような、あの特徴的な不敵な笑みを浮かべた。
「ま、最高に楽しいパーティーだったぜ」気負いのない仕草でジャケットを羽織りながら、彼は言った。「だが、お払い箱の空気ぐらいは読めるんでね」
彼はドアへと悠然と歩き、立ち止まると、私と視線を合わせた。ゆっくりとしたウインクが鳩尾に一撃を食らわせ、招かれざる戦慄が背筋を駆け抜ける。
「俺が恋しくなったら連絡してね、香奈ちゃん」
間延びしたその声には、初対面の日に私を虜にしたあの傲慢な響きが漂っていた。だが...
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