第4章

 椅子に力なく崩れ落ちる悠也を、私はただ見つめていた。床に叩きつけられたスマートフォンからは、なおもあの軽快なメロディが流れ続けている。

「嘘だ……あり得ない……」

 彼の声は砕け散り、震える足でどうにか立ち上がろうとしていた。

 抱きしめてあげたい。「大丈夫だよ」と伝えてあげたい。けれど、私にできるのは、霊安室へと向かう彼の背中を見送ることだけだった。俊哉が慌ててその後を追う。

「悠也、やめろ……俺が確認してくるから」

 悠也はその制止を振り払い、扉を押し開けた。そして、解剖台の上に横たわる黒焦げの遺体を直視した。

「これで分かったでしょ、悠也……」

 部屋の隅で、私はそう囁...

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