第25章 ごめんなさいしか言えないのか

廃工場の入り口に現れた桐島征十郎の長身は、まさに救世主のようだった。

彼は一目で床に横たわる人影を見つけた。

手足を縛られ、衣服は乱れ、露わになった雪のような肌には無数の擦り傷が走っている。それはまるで、名高い白磁に亀裂が入ったかのような、見る者の庇護欲を掻き立てる痛ましさだった。

「藤咲花音か?」

征十郎の眉間に、微かに皺が寄る。

桐島翔太と別れた後、彼は車を走らせていたが、この廃工場を目にした瞬間、直感に導かれるように足を踏み入れたのだ。

まさか本当に、藤咲花音がここにいるとは。

ましてや、これほど酷い有様だとは思いもしなかった。

激しい暴行を受けたかのような惨状だ。

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