第35章 まだ面白いものがある

藤咲花音は、二人の協力関係について何一つ知らなかった。

レストランを出たものの、彼女には行くあてがなかった。

少し考えた末、鈴木舞に電話をかけてみることにした。

コール音の後、すぐに相手が出た。

「カノン姉さん、どうしたの?」

藤咲花音は少し申し訳なさそうに切り出した。

「あ、あのね……今日の午後、時間あるかな?」

鈴木舞の声は明るく、実に爽快だった。

「あるよ! 時間なんて売るほどあるし! 何か手伝うことでもある?」

「一緒に物件を見て回ってくれないかな? 部屋を借りたいんだけど、どこにいい物件があるのか分からなくて……」

鈴木舞と知り合ってまだ日も浅いのに、本来ならこ...

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