第38章 同じベッドで寝るべきではないか

部屋に静寂が戻る。

桐島征十郎はこめかみに鈍い痛みを感じ、自室へ戻ろうと踵を返した。その時、隣室からドサリと何かが落ちる音が響いた。

寝室。

藤咲花音は朦朧とした意識の中で目を覚ました。胃が焼けるように熱い。

「翔太……」

反射的に桐島翔太の名を呼ぼうとして、彼とはもう別れたのだという事実が脳裏をよぎる。彼女は一人でベッドから降りようとした。

だが、立ち上がった瞬間に激しい眩暈に襲われる。

咄嗟に何かにつかまろうと伸ばした手が、サイドテーブルの灰皿をなぎ払った。

ガシャン!

落下音に、藤咲花音自身も肩を震わせる。

事態を把握する間もなく寝室のドアが開き、バスローブ姿の桐島...

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