第40章 私をからかうのは楽しいか

二人が到着した時には、クライアントは既に個室で待機していた。

一組の男女で、見たところ藤咲花音と同世代のようだ。その態度は親しみやすく、愛想もいい。

「張本社長、藤咲さん」

二人の姿を認めると、彼らはすぐに立ち上がって挨拶をしてきた。

藤咲花音は礼儀正しく会釈を返す。

一方、張本社長はきょろきょろと辺りを見回し、誰かを探しているような素振りを見せたが、目当ての人物がいないと分かると、ようやく笑顔で二人に挨拶を返した。

どうやら二人は会社から派遣された担当者らしく、藤咲花音の企画書には既に目を通していた。話ぶりからして彼女のプランに大いに満足しているようで、いつでも実行に移せるとい...

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