第50章 最善の選択ではない

しばらく迷っていたおチビちゃんだが、やがてそのむっちりとした小さな手を伸ばし、藤咲花音が差し出したチョコレートを掴んだ。

花音は微笑ましげにそれを見つめる。

小さな手ではなかなか包装紙が剥けないようだ。花音はチョコレートを受け取ると、代わって包装を解いてあげた。

おチビちゃんは嬉しそうにそれを頬張り、瞳に浮かんでいた涙もいつの間にか引いていた。

「美味しい?」花音は彼女の顔に残っていた涙の跡を拭ってやる。

おチビちゃんは力強く頷いた。

花音は笑って尋ねる。「じゃあ、まだタケル兄ちゃんを探す?」

おチビちゃんは少し考え込んでから、首を左右に振った。「ううん、探さない。お姉ちゃんの...

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