第65章 まさかのマザコン

早朝。

会社に現れた桐島翔太は、あからさまに不機嫌な顔をしていた。

如月奈々が甲斐甲斐しくコーヒーを淹れてくると、彼の目の前に置いた。

「翔太兄さん、昨夜はよく眠れなかったの? コーヒー淹れたよ」

彼女は桐島翔太の顔色を窺いながら言った。

昨晩、桐島蘭子が桐島征十郎に追い出されて以来、桐島翔太は彼女を無視し続けていた。

如月奈々は怒りの矛先が自分に向くのを恐れ、一晩中連絡を控えていたのだ。今朝になってようやく、彼の態度を探りに来たというわけだ。

桐島翔太はただでさえ苛立っていた。

彼女の声を聞くと、冷ややかな視線を向け、瞳の奥に怒りの炎を燃え上がらせた。

「よくもぬけぬけと...

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