第71章 引っ張り合い

青松商事グループ、会議室。

数名の幹部が業務報告を行っている。

桐島翔太は上座に座っていたが、意識は彼らの言葉には向いておらず、時折伏し目がちに手元のスマホを確認していた。

予定通りであれば、藤咲花音の元には既に病院から督促の電話が入っているはずだ。

祖母の今月の医療費は四百万。

彼が知る限り、現在の藤咲花音の手持ちは精々二百万といったところだろう。

祖母の治療を止めたくなければ、彼女は戻ってきて彼に頼るしかない。

だが、これだけ時間が経過しても、藤咲花音側からは何の動きもなかった。

桐島翔太は次第に苛立ちを募らせていく。

自分がしていることが卑劣だとは分かっている。

だ...

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