第032章 彼に囚われるくらいなら、焼け死ぬ

西園寺蓮は扉の向こうに立ち尽くし、表情一つ変えずに氷のような声で告げた。

「仕事を辞めない限り、鍵は開けない」

「こんなの監禁よ!」

「頭が冷えたら呼べ。いつでもいいぞ」

ドンッ、と神崎彩は拳を扉に叩きつけた。

だが、西園寺蓮は振り返りもせず主寝室へと去っていった。

神崎彩は、彼がここまで常軌を逸した行動に出るとは思ってもみなかった。

彼女は即座にスーツケースを開け、ノートパソコンを取り出した。ネットに繋いで橘薫たちに連絡を取ろうとしたが――繋がらない。

西園寺蓮が先手を打ち、ネット回線を遮断していたのだ。

彼は徹底的に、彼女と外界との接触を断つつもりらしい。

神崎彩は憤...

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