第33章 私がいる

その頃、西園寺蓮はまだ自宅の状況を知る由もなかった。

西園寺家と九条家の提携プロジェクトは順調に進んでおり、現在は第二フェーズの推進に向けて補足契約を結ぶ必要があった。

だが、契約書の準備は整っているにもかかわらず、九条圭吾が一向に姿を現さない。

彼は九条莉奈に視線を向けた。「莉奈、お兄さんとの約束は本当に朝の八時だったのか?」

九条莉奈は媚びるような笑みを浮かべ、彼のアームに抱きついて甘えた。「もう、しょうがないなぁ。白状するわ。お兄ちゃんとの約束は八時じゃなくて十時よ。だってレンお兄様に会いたかったんだもの。少しでも早く会いたかったの。レンお兄様なら、怒ったりしないわよね?」

...

ログインして続きを読む