第68章 二人は同じ部屋にいられる関係か?

加賀美司は、器具を手渡した。

それからの神崎彩は、まるで借りてきた猫のように大人しく、水瀬遥人に手当てをさせていた。抵抗することもなく、身動ぎひとつしない。

手持ち無沙汰に立ち尽くす加賀美司は、内心で毒づいた。

(結局、俺は無駄足だったってわけか? というか、俺は二人の『プレイ』の引き立て役か何かか?)

彼は口元に皮肉めいた笑みを浮かべ、水瀬社長に視線を送る。「今度からこういう時は、俺を呼ばなくていいですよ、水瀬社長」

水瀬遥人は顔も上げずに言い放つ。「なら、さっさと帰れ」

「へいへい、お暇しますよ」

彼は医療ケースを格好良く肩に担ぐと、颯爽と背を向けた。「お邪魔虫は退散、退散...

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