第269話世界中に散らばる

ジェイド視点

携帯の着信音にはっと目が覚めた。夕方まで眠ってしまっていたらしい。あれだけのことがあった後では、体が休息を求めていたのだろう。ナイトスタンドからスマホを掴むと、画面にマックスの名前が点滅していた。ビデオ通話だ。

「マックス?」と応答すると、彼の顔が映し出され、安堵感が押し寄せてきた。病院の枕を背にして、顔色は悪かったけれど。

「ジェイド」弱々しいながらもはっきりとした声だった。「チェイスの件、聞いたよ」

「チェイスが怪我をしたのは、俺のせいだ」マックスの声が震える。「俺が――」

「チェイスは無事よ」と私は遮った。「手術は成功したし、すぐに回復するわ」

マックスの目は罪...

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