第272話クローン軍を期待していた

ジェイド視点

私はスペクターを睨みつけた。背筋を這い上がってくる嫌悪感に身震いする。

「他人の顔を被ったあんたの顔を見るのは、気分が悪い」私は冷たく平坦な声で言った。

スペクターの口元が、面白がっているかのように引きつった。

「実際には」と彼は訂正した。「彼らの方が、私の顔を被っているのだがね」

「私の仲間はどこ?」私は単刀直入に尋ねた。このサイコパスと時間を無駄にする意味はない。

「そんなにお急ぎかね?」スペクターは玉座のような椅子に背を預けた。「まずは旧交を温めたいとは思わないかね?」

私は彼の視線を、瞬きもせずに受け止めた。「旧交を温める? 私たちに話すことなど何もない」

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