第275話最後の弾丸

レイスは薄暗い地下トンネルを素早く進んでいた。その機械義手が、荒削りな石の壁に長い影を落とす。通路は古代のものか――あるいは、そう見えるように巧妙に設計されたものか――そして、致命的な罠が至る所に仕掛けられていた。だが、その罠はすべて、すでに作動させられた後だった。

感圧板は踏み込まれたままになり、毒矢は彼の肉ではなく壁に突き刺さり、ワイヤートラップは切断されたか壊されたかで、力なく垂れ下がっている。誰かが最近ここを通り、そして生き延びたのだ。ジェイドに違いない。

彼は屈み込み、石の床に残された小さな血痕を調べた。まだ残る温もりが、彼女がそう遠くにはいないことを告げていた。追跡の速度を上げ...

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