第276話敗北の果て

ジェイド視点

人の体が宙を舞い、スペクターが立っている場所から数フィート離れた地面に、鈍い音を立てて叩きつけられた。彼はレイスの負傷した足から足をどけた。

スペクターが振り返り、その冷たい視線が私を捉えた。私は彼の部下の最後の一人の上にまたがり、激しい運動で胸を大きく上下させていた。彼の背後では、マイロが地面にぐったりと横たわっている。まだ息があるのかどうかは、分からなかった。

「まだ戦う気力は残っているか?」スペクターの声は、私たちを隔てる距離をものともせず、やすやすと届いた。まるで彼の言葉のために、唸りを上げる海風が道を譲ったかのようだ。

私は手の甲で唇の血を拭った。「殺人者に息が...

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