第18章 指図する

橘詩音たち三人が台所に入っていくのを見て、望月美緒も仕方なく後を追ったが、傍に立っているだけで、とても手を出せるような雰囲気ではなかった。

彼らの班が手に入れた食料は多くないが、二食分には十分だろう。もっとも、野菜ばかりだったが。

調理法は至ってシンプルだ。サツマイモを蒸して主食にし、あとは青菜や大根などを簡単に炒めるだけ。

橘詩音は望月美緒に一切何もさせず、まるで自分が料理上手であることを際立たせるかのように、すべてを一人でこなそうとしていた。

その頃、もう一方の班の四人は、スイカを食べ終えるとそれぞれ自室へ戻って昼休みに入っていた。青山希の虫除け薬のおかげで、皆すっかり安心して、す...

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