第21章 俳優・斎藤徹は慎重に

三人でしばらく作業していると、すぐに桐谷紫帆が大野のじいさんと一緒に、小さな桶を提げてやって来た。

桶の中身は、出来立ての緑豆スープだ。もう熱くはなく、桐谷紫帆が気を利かせて氷まで入れてくれていた。

「みんな、ちょっと休みに来なさいよ。緑豆スープを飲んで」

桐谷紫帆は、畑でまだ忙しくしている三人に向かって叫んだ。

その声を聞いて、青山希はようやく機械を止め、三人は畦道へと駆け寄った。

一杯の緑豆スープを飲み干すと、青山希は全身がすっと軽くなるのを感じた。

「青山希、機械の操作はもう覚えた。ここからはお前は少し休んで、俺たちがやる」

上杉要が緑豆スープを飲み終え、青山希にそう言った...

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