第37章 夜の話

身に余る望み? 面白いことを言う。

草薙隼人は顎を撫でながら笑った。「独身の男女が自由に恋愛するのに口出しするのかい。法律は元カレの立場なんて守っちゃくれないぞ」

そう言うと、草薙隼人はわざとらしく「ちっ」と斎藤徹に舌打ちしてから背を向けて去っていった。

斎藤徹も望み薄と見て、溜め息をつき、部屋へと戻っていった。

一方、部屋の中の二人の女性がそう簡単に眠るはずもない。窓を閉めた途端、青山希は桐谷紫帆がゴシップを求める探るような目で自分を見ているのに気づいた。

今夜の大ネタは実に見応えがあった。実はずっと前から推測はしていたが、まさか青山希と斎藤徹がそんな関係だったとは思いもしなかった...

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