第60章 キャラクター設定

次回の番組スケジュールはまだ先のことだ。農村でのロケを終えた後、番組班は次の舞台を大都市に設定した。

大都市は小さな村とは違う。教育を受けた人間も多く、雰囲気もより友好的だろう。

橘硯は橘詩音に才女というキャラクター設定を施すことに決めた。もともと橘詩音が得意とする分野を伸ばし、そこに橘家の兄弟たちの助けが加われば、問題はないはずだ。

何しろ、青山希のやり方でさえ多くの視聴者に好かれているのだ。ならば、今の視聴者が求めているのは実力のある人間なのだろう。

橘硯は三男の橘時也に相談を持ちかけた。

「今から曲を書くとしたら、どれくらいかかる?」

「時間に間に合うなら、詩音ちゃんと事前に打ち...

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