第62章 次の号

数人が中庭に入ると、橘詩音は真っ先に厨房へと飛び込んだ。

他の者たちは彼女が食材を厨房に運び入れるのを手伝った後、気を利かせて外へ出ていった。

橘詩音は考えれば考えるほど不憫になり、黙って涙を拭いながら食材の片付けを始めた。

この数人は皆、スターであることに慣れており、元々家事をするという意識が薄い。もし皆が団結して協力していればまだしも、問題は、橘詩音がここに来てからずっと厨房の仕事を独占しようとしていたことだった。

そのため、他のメンバーは当然のように勘違いをした。橘詩音がキャラクター作りをしようとしているのだと思い込み、誰も厨房には入らず、外で休んでいたのだ。

橘詩...

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