第34章

弓場風太郎はその後も彼女を作りたいと思っていた。

しかも、これから婚約者とも会う予定だし、さらに多くの資産も相続することになるので、うっかり正体がバレてしまうのが怖かった。

そのため、ミナの誘いをすぐに断ってしまった。

ミナは弓場風太郎に断られ、しかもあれこれ理由まで並べられて、一瞬むっとした。

「何が不適切なのよ?私が弓場君を利用するのが怖いの?」

ミナはわざとそう言ったが、心の中では少し落ち込んでいた。もっとも、この男が本当に良い人だということもわかった。

弓場風太郎は、ミナが自分の家賃の負担を軽くしてあげようとしていることを理解し、相手の気持ちに感謝していた。

だが、すぐ...

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