第38章

弓場風太郎は会員カードを持っていないと言い、最も喜んでいたのはワンピースの美女だった。

相手は会員カードすら持っていないのだから、この店で食事をするつもりではないことは明らかではないか?これからこの男は終わりだ!

人混みの中で、スーツの美女である小林結愛だけが眉をしかめ、瞳に一筋の憐れみの色が浮かんだ。

こんな弱い立場の人間が、皆からこのように疑われ嘲笑されるのは、さぞ面目丸つぶれだろう!

なぜ彼がたまたまここに来たのか、おそらく誰も理由など気にしていない。ただ弓場風太郎を追い出したいだけなのだ。

「君、会員カードを持っていないなら、うちの店に何しに来たんだ?」

北島課長は相手が...

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