第77章

葉原龍介たちが去っていくのを見届けてから、弓場風太郎は車の後ろから姿を現した。

そしてミナに向かって、にこやかに話しかける。

「さっきの奴らが、昨日脅してた連中だろ?もう謝ってきたんだし、危険はなくなったんじゃないか」

「私が危険かどうか、あなたに何の関係があるの」

ミナは氷のように冷たい口調で返した。

その言葉遣いに、弓場風太郎は内心首を傾げる。今の彼女は機嫌がいいはずだと思っていたからだ。

「さっき、車の後ろに隠れて何をしていたの?あの人たちが私に絡みに来たとでも思って、巻き込まれるのが怖かったんでしょ」

ミナは軽蔑に満ちた眼差しで弓場風太郎を一瞥し、唇を尖らせて続けた。

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