第78章

村上薫のその美しい脚を見て、弓場風太郎は思わずごくりと唾を飲んだ。

そして続けた。「ちゃんと運転に集中してくれ。途中で死ぬのはごめんだからな」

「わかりましたわ」

村上薫は自分の誘惑に弓場風太郎がまったく動じないのを見て、仕方なくそう応じると、真剣に車の運転を始めた。

三十分後、村上薫は車を一軒のモデルルームの前に停めた。

「弓場様、到着いたしました」村上薫は弓場風太郎に向かってそっと言った。

「ああ」

弓場風太郎は軽く頷き、ドアに手を伸ばして開けた。

弓場風太郎が車を降りようとしたその時、ふと非常に見覚えのある人影がモデルルームから出てくるのが目に入った。

「どうして彼女...

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