第82章

「村上薫、一体どこからこんな御曹司を連れてきたのよ?一千万すら出せないなんて、本当に詐欺師じゃないでしょうね?」

高橋彩は弓場風太郎の言葉を聞くと、冷笑を浮かべて村上薫に言い放った。

「高橋彩、何を言ってるの!弓場様は今日、銀行カードを忘れただけよ。私の評判にかけて保証するわ。弓場様は明日、必ずこのお金を支払ってくださる。あなたがここでとやかく言う必要はない!」

村上薫は無表情にそう返すと、恭しく弓場風太郎に向き直った。「弓場様、参りましょう。明日、私がお連れして支払いの手続きをいたします」

「ああ」

弓場風太郎は頷き、村上薫と共に席を立とうとした。

「待ちなさい!」

高橋彩は...

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