第87章

金田浩二のその一言を聞いた高橋彩は、途端に顔をこわばらせた。

彼女は目を剥いて叫ぶ。「金田専務、何を仰っているんですか?私をクビにするですって?社長のご意見は伺ったのですか?」

「社長がどう思うかは知らん。だが、今日これだけの大騒ぎを起こし、先ほどは弓場様と川本さんを交番送りにしかけた。これだけでも君をクビにするには十分だ!」

金田浩二は高橋彩が上のコネを使って脅してくることをとっくに見越していたらしく、極めて平静な口調で返した。

その言葉を聞き、高橋彩の瞳に絶望の色がよぎった。

まさか金田浩二がここまで容赦なく、会社での自分のコネを一切顧みないとは思いもしなかったのだ。

一方、...

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