第91章

「はい、弓場様!」

下村強太は少し緊張した面持ちで頷いた。

「この男が君の甥で、私に謝罪もしたことだし、君の顔に免じて、今回は見逃してやろう」

弓場風太郎はゆっくりと言った。

「ありがとうございます、弓場様!」

下村強太は慌てて感謝を述べると、振り返って綾部博文に向かって怒鳴った。「何をぼさっとしてる!早く弓場様にお礼を言わんか!」

「ありがとうございます、弓場様!ありがとうございます!」

綾部博文はすぐさま叫んだ。

「今から金田浩二に君の彼女をクビにさせるが、文句はないな?」

弓場風太郎は目を細め、綾部博文に問いかけた。

「ありません、文句なんてありません!」

綾部博...

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