第98章

「弓場風太郎がどうしてここの課長と知り合いなの?」

ミナは非常に困惑した表情で呟いた。

「弓場様、誠に申し訳ございません。本日は大変混み合っておりまして。もし本日お越しになると存じ上げておりましたら、事前に個室をご用意させていただきましたのに!」

北島直樹は弓場風太郎の言葉を聞き、途端に全身から冷や汗が噴き出した。

東山一郎は新世紀レストランのオーナーであり、弓場風太郎はその東山一郎の社長である。この関係性を北島直樹が理解していないはずがなかった。

故に、弓場風太郎を前にして、彼は一切の怠慢も許されなかったのである。

「構わない。別の場所で食べるだけだ」

弓場風太郎は手をひらひ...

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