第99章

「十万円を払っていただければ、お帰りいただいて結構ですよ」

その時、北島直樹が無表情に山崎風太へと言い放った。

山崎風太はその言葉を聞くと、たちまち眉をひそめ、低い声で言った。「どうして金を払わなきゃならないんだ。今日払わなかったからって、あんたらは俺をここに閉じ込めておけるってのか?」

「もちろん、お客様を拘束するようなことはいたしません。しかし、この罰金をお支払いいただけない場合、当レストランはこの会員カードの資格を取り消させていただきます」

北島直樹は目を細め、静かにそう返した。

その言葉を聞いた山崎風太は、その場に呆然と立ち尽くし、顔色を失った。

この会員カードは、山崎風...

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