第104章 契約失敗

契約のことを考えると、また頭が痛くなってきた。

あんな不祥事があった以上、山本グループに非があるのは明白だ。これ以上、和田さんに頼るわけにはいかない。

私は水を一杯注ぎ、喉に流し込む。こうすると、少しだけ心が落ち着く気がした。

山本宏樹からは、相変わらず何の連絡もない。私は中村治郎にメッセージを送った。

『山本宏樹の居場所が分かったら、すぐに知らせて』

マンションに戻ると、和田さんから電話がかかってきた。

和田さんの声には、隠しきれない疲労が滲んでいる。

「美玲、今日のことは全部聞いたわ。由奈は気性が激しいから、あなたに辛い思いをさせてしまったわね」

第一声で私の心情を気遣っ...

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