第120章 他の男のために私を狂っていると言うなんて

彼女は泣きじゃくりながら、またグラスを煽ろうとする。私はその手を軽く叩いて制止した。

「もうよしなよ。それ以上飲んだら吐いちゃうよ」

 石川萌香は私の手からグラスを引ったくり、ごくりと一息に飲み干すと、私に抱きついて泣き出した。

「美玲ぃ、なんで私ってこんなについてないのかなぁ。出会う男、みんなロクデナシばっかり!」

 私は慌てて彼女を抱きしめ、優しく背中をさする。

「萌香、泣かないで。きっと大丈夫だから。運命の人は必ずいるわ。ただ、出会うタイミングの問題よ」

 石川萌香はそれからも長いこと悪態をつき続けたが、その大半は山本宏樹に向けられたものだった。

 どうすることもできず、...

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