第6章

山崎絵美視点

「絵美? 帰ったぞ、どこにいるんだ」

玄関から、庄司の焦ったような声が響いた。

「庄司さん……助けて……」

最後の力を振り絞って、私はか細く呼びかけた。

慌ただしい足音が、まっすぐ居間に向かってくる。ドアのところに現れた庄司は、目の前の光景に凍りついた。

私は血の海の中に横たわり、ドレスはぐっしょりと赤黒く濡れていた。その傍らには森本亜里亜が立ち尽くしている。彼女の服は汚れていないものの、その顔は私と同じように真っ青だった。

「なんだ、これは!」

庄司は我に返るとすぐに駆け寄り、私の隣にひざまずいた。

「絵美! 大丈夫か! 何があったんだ、一体!」...

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