第19章 親友夏目嵐

夕食の時間になると、テーブルには大奥様が丹精込めて煮込んだ滋養スープが並んでいた。

藤原青樹は一人で二杯も飲み干した。

大奥様は箸で彼の手を叩き、叱りつけた。「この馬鹿者、あの一杯は絵里ちゃんのよ!」

佐藤絵里はこっそり藤原青樹を見やると、ちょうど彼の視線と合ってしまった。

二人の目が合うやいなや、すぐに視線をそらした。

佐藤絵里は俯いて二口ほど料理を口に運んだ。

「これからこんな無駄なことはしないでください」藤原青樹は冷たく言った。

「何が無駄だって?これはね、私が半年以上かけて研究して、十数人のお医者さんに確認して、体に副作用がまったくなく、しかも滋養に効く薬膳よ!」

藤...

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