第22章 来る者拒まず

この食事の雰囲気は、どこか重苦しいものだった。

一同に来ていた面々は、佐藤絵里に対して探るような視線を送っていた。

皆が同じ疑問を抱いていた。

佐藤絵里は田舎出身のはずではなかったのか?

なぜこれほど高度な知識を持ち合わせているのだろう。

佐藤絵里は始終ほとんど箸をつけず、途中でトイレに立った時、田中雅子が彼女の後を追った。

用を済ませると、田中雅子が鏡の前で化粧直しをしているのが見えた。

「あなたも、見た目だけではないようね」

佐藤絵里が初めて会社に入った日から、彼女は気づいていた。

ただ、当時の佐藤絵里は今よりもさらに控えめで、椅子に一日中座ったまま、誰とも言葉を交わそ...

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