第120章 御影伽耶は大変な目に遭う!

英子の一つの心臓が、どきどきと激しく鼓動を打ち始めた。

彼女は無意識に目を閉じて寝たふりをする。その睫毛は震えており、彼女が今、恐怖に駆られていることを物語っていた。

来た人物は、間違いなく知らない人だ。

彼女は生まれつき嗅覚が鋭いが、この人物から漂う匂いは全く知らないものだった。

こんな夜更けに、誰が自分の病室に来るというのだろう?

英子は身じろぎ一つできなかった。

布団の下の手は、御影星奈にもらった紙人形を固く握りしめている。

上山瑾は子供の顔をじっと見つめていた。

切れ長の目には、一筋の貪欲な光がよぎる。

父の言った通りだ。

この娘の顔相は、まさしく帝王の星。

も...

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