第127章 前夫と病弱者、彼女は選ぶ

空を二つに引き裂かんばかりの、耳をつんざく雷鳴を伴った白い稲妻が走る。

ゴロゴロゴロ!

上山瑾の顔色が瞬時に変わった。彼は殺意を宿した目で瀬央千弥を乗り越え、御影星奈を睨みつけた。

可悪!

この女、まさか雷の呪術を操れるとは!

天雷は、修行を積んだ者でさえ耐えられるとは限らない。

直撃を受ければ、死なずとも半殺しにされる!

上山瑾は帝王の星を奪うことを一時的に諦めざるを得なくなり、手を離して踵を返し、逃げ出した。

だが、もう遅かった。

雷はすでに落ちてきていた。

それを見て、瀬央千弥の瞳孔が一瞬鋭く収縮し、無意識に懐の英子を胸に抱きしめ、庇った。

しかし、予期された雷は...

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