第141章 偉い御影様

最初に「クソが」と声を上げたのは皆条信だった。

御影星奈は武装警察に連行されたのではなかったのか?それが今、どうしてこんなに恭しく送り出されているんだ?

聞き間違いか、それとも目がおかしくなったのか?

この疑問を抱いたのは彼一人ではなく、他の者たちも同様に困惑していた。

前方。

御影星奈を送り出してきた者たちの中には、先ほど見かけた武装警察の姿がいくつかあった。

その中の一人の男が、彼らの注意を引いた。

年は三十歳ほど、顔立ちは上品で整っているが、その表情は空の暗雲のごとく陰鬱だった。

痩身長躯は道袍に包まれている。

右胸の服には『特殊部門』のロゴが印されていた。

上山賢...

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