第151章 浮気された

 彼も松山守と同じく、童顔であった。

 一重まぶたのその瞳は、今はただただ困惑の色に染まっている。

 全ての視線が彼一身に注がれていた。

 御影星奈は視線の端で松山守に目をやる。

 少年は驚愕と戸惑いの表情を浮かべていた。

「大丈夫か?」

 主催者として、羽瀬響也が極めて紳士的に手を差し伸べる。

 松山紘は膝の痛みを堪え、その手を借りて立ち上がった。

 彼は俯きながら口を開く。「すみません……わたくしは……」

 ホールはひそひそと囁く声で満ちていた。

 嘲笑、他人の不幸を喜ぶ声、そして憐れみの声。

「今日の松山家は松山紘一人だけか? 言っちゃ悪いが、ここ数年のあの家はま...

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