第177章 自分で自分に結婚を促す

白川結愛は自分の息子をじっと見つめ、その瞳の中に嘘の痕跡を探ろうとした。

だが残念なことに、見当たらなかった。

謝部綾人は彼女の末息子で、幼い頃から病弱で、物心ついた時からずっと様々な薬を服用してきた。

普段から彼に求めるのはただ健康でいてくれることだけで、将来の嫁選びに関しても、条件をかなり低く設定していた。

家柄は良くなくてもいい、しかし身元だけは清廉潔白でなければならない。

だが、御影星奈は……

白川結愛の眉が、ぎゅっと寄せられた。

家柄ははっきりしない、十五年も行方知れずだった実の娘。

それだけならまだしも。

御影星奈は一度嫁いだ身なのだ! 別の男と二年間の婚姻歴が...

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