第198章 ライブで浮気を捕まえる?

道観の前に停まっていたトラックが去っていった。

謝部綾人は寒すぎるという口実で、厚かましくも上がり込み、温かいお茶を一杯ご馳走になった。

立て続けに四、五杯も飲んだというのに、彼はなおも立ち去る気配がない。

御影星奈は彼を見つめる。その桃花眼は潤んでいた。

「もう日が暮れます」

とっとと帰れ、という言外の意味は明らかだった。

しかし謝部綾人は、わざと理解できないふりをしている。

蒼白で整った顔立ちは柔和な線を描き、切れ長の瑞鳳眼には笑みが揺らめいていた。

彼は相槌を打って頷く。

「冬は日が暮れるのが一番早いですね」

そう言うと、また一杯のお茶を飲み干した。

御影星奈は「...

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