第39章 前の姑が彼女に数珠のブレスレットを求めるのか?

御影星奈がお爺様を救えるですって?

瀬央舞香は、何か途方もない戯言を聞いたかのように目を丸くした。

刹那の後、嘲るような笑い声を上げ、表情にはあからさまな軽蔑が浮かんでいた。

「お兄様、あなた、この女に洗脳でもされたの? 彼女がお爺様を救えるって言うなら、私が逆立ちして髪を洗うところをライブ配信してあげるわ!」

瀬央舞香はそう啖呵を切った。

彼女は、御影星奈に人を救う力などあるとは微塵も信じていなかった。

御影星奈は医者でもないし、大学の専攻も医療とは無関係だ。

そんな話より、世界が滅びるという方がまだ信憑性がある。

瀬央舞香だけでなく、瀬央千弥の母も信じてはいなかった。

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