第40章 あなたの相手は男

外は厚い雲に覆われ、雷鳴が轟いている。

天候の変化はあまりにも急だったが、その理由を御影星奈だけがはっきりと理解していた。

彼女が立て続けに二枚もの延命長寿のお札を描いたことで、天道に察知されてしまったのだ。

この雷は、明らかに彼女を狙って来ている。

だから、瀬央千弥がてっきり断られるだろうと思っていたその時、彼女は頷いて了承した。

「この玉佩の由来については、瀬央舞香にちゃんと聞いておいた方がいいわ」

血のように赤い玉佩が、御影星奈の手に握られる。

赤と白が鮮やかな対比をなし、どこか妖しげな雰囲気を醸し出していた。

瀬央千弥は「ん」と一言応じた。

「君の部屋は元のままだ。...

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