第57章 元夫が彼の高嶺の花の顔を殴る?!

御影星奈は眉を上げた。

これは一家総出で芝居を打ちに来たということだろうか?

真っ先に反応したのは云野悠だった。

彼は持っていたスイカを松田守の口に押し込むと、長い脚を伸ばして御影星奈の隣に立った。

来意不善。

男は危険な光を宿して目を細めた。

「瀬央社長、ここは私達の控え室ですが、部屋を間違えたのでは?」

その言葉が落ちて数秒、その場にいた全員がそれぞれの思惑を巡らせていた。

御影伽耶ですら、瀬央千弥が突然やって来た理由を推し量ることができない。

自分の後ろ盾になるため?

それも筋が通らない気がする。

御影の母に支えられながら、御影伽耶の心臓は不安に激しく脈打っていた...

ログインして続きを読む