第58章 御影安が言った、私の姉を侮辱するな!

「私に家族なんていないわ。弟がどこにいるっていうの? あなたにそんな資格はない」

「不細工な顔しちゃって。私の後輩の半分も格好良くないくせに、よくもまあそんなことが言えるわね?」

女の冷たく、嘲りを帯びた声が待合室全体に響き渡った。

名指しされた松田守は、ぱっと目を輝かせる。

先輩の心の中では、自分はそんなに格好いいのか!

御影安も、どう言おうと御影星奈とは血縁関係にある。

遺伝子がそこにある以上、醜いとまでは言えないが、不良少年然とした雰囲気がその格好良さを台無しにしていた。

御影安は歯を食いしばり、その両の眼は怒りの炎で燃え上がっていた。

もし眼差しで人を殺せるのなら、御...

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