第64章 分け鬼:彼女が犯した罪は自分で背負う、助けない!

瀬央千弥は心臓が止まるかと思うほど驚き、一瞬、鼓動を忘れた。

もし御影星奈が力加減を誤っていたら、この鞭は間違いなく彼の身に落ちていただろう。

しなやかな長鞭が、空中で虚しく輪を描く。

一般人の目には、それが人をからかうための手品か何かのようにしか見えない。

しかし、同業者が見れば、その鞭が悪霊を捕らえているのがわかるはずだ。

綾小路の爺さんは顔から驚きを消し、次いで言葉にできないほどの興奮を覚えた。

御影星奈は符を描くだけでも大したものだと思っていたが、まさか悪霊祓いまでこれほど見事だとは!

まさに天才だ!

だが……。

待てよ。

この鬼、どこか先日自分が収鬼瓶に叩き込ん...

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