第83章 元夫は一言で言うと、クズ!

「ちょっと、あの男、頭おかしいんじゃないの?」

「絆創膏ですって?」

「ついさっきまで新しい女連れて見せびらかしてたじゃない」

「瀬央千弥は一体何を企んでるわけ?」

御影星奈の額の傷はすでにかさぶたになっており、その周りにこびりついた血痕がどこか恐ろしげに見える。

夜風が、女の耳元に垂れた後れ毛を揺らした。

一対の桃花眼は冷たく物憂げで、彼女は瀬央千弥が差し出した絆創膏の束を一瞥し、唇の端に嘲りの弧を描いた。

「私はゴミ箱じゃないの。どんなゴミでも受け入れるわけじゃない」

平坦な口調だが、一言一句に棘がある。

瀬央千弥の眉がひそめられた。

右手が宙で固まる。

二人は元夫...

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